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Showing posts from January, 2024

フランシス・ベイコン・インタビュー

デヴィッド・ボウイが最も影響を受けた100冊に選んでいたフランシス・ベイコン・インタビュー「肉の慈悲」について、いつもの(疑似)対話形式で書きました。 なぎさ: 先生、診察室によく患者さんの絵を飾ってますね。それとは別に画集やデザインの本、画家に関する本がいっぱい。この段ボールはどうしたのですか? ああ、なぎささん、通院されている方で、絵を描いている人が不要になった本を持ってきてくれたんです。作業療法室に置こうと思います。 なぎさ: 昨日の方ですね。すごい荷物でしたね。これはピカソ、エッシャーもある。ゴッホに、この本は・・・? いや、その辺は僕の私物です。一緒に整理していて。フランシス・ベイコンという画家のインタビュー集です。かつて 「肉の慈悲」 という題名だったのは絶版で高値なのですが、ちくま学芸文庫で復刊されて。それとこの、やはり絶版だったR.D.レインという精神科医の著書 「引き裂かれた自己」 や 「好き?好き?大好き?」 も最近文庫化されて買えました。 なぎさ: 「好き?好き?大好き?」はエヴァンゲリオンや恋愛シミュレーションゲームで引用されたり、戸川純の代表曲のタイトルでも有名だと聞きました。市川沙央さんがエヴァを引用したり、それこそ伊藤計劃さんが恋愛シミュレーションゲームから重要な台詞を拝借してるのは遊び心を感じました。 精神医学とサブカルチャーは親和性ありますね。ちなみに「引き裂かれた自己」と「肉の慈悲」は デヴィッド・ボウイの百冊 にも選ばれていて。 なぎさ: ボウイって画家でもあったんですね。今、ネットで調べてみましたけど、デヴィッド・ボウイの絵もフランシス・ベイコンの絵も、見ていて、なんだか不安になってくるような。 すごく実存的な不安ですね。帯文句にもなっていますが、このインタビュー集を要約する言葉の一つが、「芸術作品が残酷に見えるのは、現実が残酷だからです」P280 なぎさ: それは芸術作品にその画家の魂があるから? 切実な訴えや悲しい思いが伝わるからでしょうか・・・ ベイコンが見ている世界が残酷なんでしょうね。きっと。かいつまんで引用しますね。 言うまでもなく私たちは肉であり、いつかは死肉になります。肉屋に行くといつも驚くのは、そこに横たわっているのが、自分ではなく他の動物だということです。P66 世間では死んだ人のことは忘れてしまうと言いま